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椅子の内部構造紹介

椅子ソファーの構造を紹介します
ソファーは生地で包まれているので中の構造がわからないものですが、ソファーの特徴は中身によって大きく違います。ソファーの中身を知ることで、張替や買い替えの時の参考になると考えます。また、座り心地や修理の具合を自分好みの椅子を手に入れる早道になるかもしれません。ここでいくつかイラスト例を挙げて紹介します。

(ダイニング椅子など、クッション部分が比較的少ないものはここでは割愛します。
また、ここで上げた例はあくまでも一例です。すべての椅子に当てはまるものではありませんが、おおよそ代表的な構造を取り上げたつもりですので、参考にしていただけると思います。その他疑問点などがございましたら、お問い合わせくだされば説明させていただきます。)


構造1


構造1外観
ポケットコイルをクッションの中心に使っているのが一番の特徴。

座ったときにポケットコイルが圧力を分散させてくれるので、コイルばねに近い座り心地を得られます。
最近では東南アジア中国などからの輸入品で張り込みクッションタイプのソファーによく使われている構造になります。
ポケットコイルはウレタンよりも耐久性が高く、単バネや連結バネよりも手間がかからずに良質な座り心地を得られるので、量産向きの構造といえるかもしれません。

フレームには波型バネ(S字ばね)を使い、ポケットコイルと合わせて2重のバネ構造になります。座面の前の方が一番ヘタリ易いので、座面前側の土手といわれる部分だけに固めのウレタンを使います。

クッションタイプのソファーは裏表が同じ形である場合は、両面を交互に使うことで長く使えます。また、クッションの前後が同じ形(長方形)のクッションの場合は、中身のクッション(カバーリングクッション)だけを前後入れ替えてローテーションさせると長く良質なクッション性を得られます。

背中の部分はウレタンを多層構造にすることで、ソフトな感触でありながらしっかりと体重を支える安定感を出せます。ウレタンの配合は、表面にはやわらかめのウレタンを、真の部分にはやや固めのウレタンを用います。




構造2



構造2外観
あおりの連結バネを使用しているのが一番の特徴です。
アメリカ製の大ぶりなソファーに見られる構造です。

連結バネは、鋼線ですべてのバネが根元で繋がっています。連結バネには他に落とし込みと呼ばれるタイプもあります。それはバネをフレームに止める部分と、バネの最上面がほぼ同じレベルにあるタイプのことを言います。

座面のウレタンの前側には固めのウレタンを使うことで、ヘタリ憎くしています。座面のクッションウレタンと連結バネを使っているので、たっぷりとした沈み込み量があり、ふわっとした体の埋まるソファーに向いている構造です。

背中のクッションには綿を詰めた物を使い、こちらも座面と同様にふわっと体の埋まるようにやわらかい詰め物です。やわらかい詰め物である為に中身が偏ってしまいがちです。その為、クッションの中袋は小さな部屋で仕切っています。それでも偏りやすいので、叩いたり、表裏をひっくり返したりして、中身を均一に保つように使うと良いでしょう。

背中のクッションに使われる素材はウレタンの他に、羽毛、エスロン綿、ナミロン綿(不織綿)、ナイロン綿、スカイパック(小さな毛玉のような集合体)、木綿、等です。これらの素材は座面のクッションの表面にもよく用いられます。

背中のフレームには波バネを使い、背中の形に合わせて柔らかに沈み込みながらも、奥では腰をしっかり支えます。
こちらのタイプもウレタン構造の背中と似た、体が沈み込みながらも深いところでは支える構造となっています。私の感覚では、ウレタンと波バネの構造を比べると、波バネの方が背中の動きに対して追従性が高いと感じるので、疲れ難いと思っています。



構造3


構造3外観
天然素材をのみで作られているのが特徴です

使われている素材は麻布、麻紐、パーム(椰子の実の外側の皮)、ファイバー(椰子の実の実に近い方の繊維)、馬毛(馬のタテガミを蒸して強く撚りをかけて弾力性を出したもの)、羽毛、生地も麻やリネン、綿、シルク、革など天然素材を使用。

あらゆる部分が職人の手仕事で仕立てられている、昔からの伝統的な技法を用いたソファー。ポルトロウナフラウ社の物が有名です。

使用されている素材は、へたる事がなく、表の生地が古くなってきたときに中身に少しの手間をかければまた何十年と使えると言われています。はじめの1年ほどで、中身が馴染むと少しボリュームが落ち着きますが、その後はほぼ変わらずに使えます。ファイバーや馬毛は使っているうちに固まってきても、再度ほぐすことで何度でも使えるといわれています。

座面にも背中面にも単バネが使われていて、それぞれのバネをひとつずつ向きや反発力を調整して取り付けられるので、人の体を最適な状態で支えるように作ることができる構造です。その代わり最も手間のかかる作業となりますし、高度な技術力が必要です。当社ではクラシックチェア専門業者の指導を受けることが可能ですので受注しております。その際の技術享受費用の負担をお客様に請求することはございません。技術向上のための投資と位置づけます。

ボタンで折り目をつけて止めている椅子をよく目にしますが、このボタンには取り付ける意味があり、長年の使用で崩れやすいクッション材をその場に留める役割と同時に、見た目の装飾的意匠の意味があります。また、職人の側からは、真似しにくいように技術力の高さを示す役割もあるかもしれません。この絞りといわれる加工は均一に、ボタン一つ一つが深く入っているほど技術力が高いです。そして絞りが広範囲に施されているほど多くの手間がかかっています。チェスターフィールドと呼ばれているソファーやポルトロナフラウ社のソファーが綺麗で有名です。




構造4



構造4外観
シンプルでスマートなソファによく見られる構造です

座面の下にはウェービングと呼ばれる、平らなゴムのようなシートを引き伸ばした状態で止められています。軽量で、耐久性のある素材です。ウェービングのような薄いクッション材は、薄い座面を持つ形のソファーや椅子に向いています。またコスト面でも優れていると言えます。

座面にはウレタンを多層構造にし、最表面(生地以外)には不織綿で包み中袋に入れるタイプがあります。
クッション材を薄い中袋に入れる理由は、中身の摩擦による消耗に耐えることと、型崩れを防ぐこと、ご自身でカバーを洗濯する場合などは中身の出し入れがし易さが上げられます。

クッションタイプのソファーをお使いの方はぜひ中身の前後の入れ替えや裏返したり、二人掛け以上でしたら左右を入れ替えたりして満遍なくクッションを使ってください。これだけで張替やクッションの交換時期が変ってきます。

ウレタンの耐久性はおよそ15年といわれています。私の経験では、座面に使うウレタンは15年かそれより短いと思います。ウレタンにも種類がいろいろあり、それぞれ耐久性や感触が違い、多岐に渡ります。それらを最適にお客様の体に合った配合するのが私たちいす張り職人の仕事のひとつです。ウレタンの余談ですが、モールドウレタン(金型の中で1つずつ発泡させて形作るウレタン)は例外で15年を越えて使えます。車のシートや劇場椅子はモールドウレタンの典型です。家具ではあまり見かけませんが、家具好きの私がよく探すとたまに見かけます。身近な家具店だと、無印良品のモールドウレタンソファは優れた製品だと思いますので、座って一休みの価値ありです。ウレタンなのにバネが使われているような、お尻に負担の少ない感じが特徴です。


好みで選ぶ

ここまでソファーの内部について説明しましたが、これらを踏まえてどれが最高だという判断はできません。最高のソファはお使いになるかた自身の好みによるところが一番です。もっと深く突き詰めると体に合った寸法、座る姿勢や筋力、価格、部屋とのバランス、見た目の印象、家具との出会い方、それらのバランスの良いものが最高の椅子になると思います。つまり一人一人自分に合った椅子を見つける努力をしていただきたいです。その為の手助けしたいと思い、これからも自分がかかわれる部分を精一杯説明してゆきます。 身近にある家具が好きでいつも癒されたり、パワーをもらえたら素敵ですね。
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